胃痛が続く・治らない原因とは?考えられる病気と受診の目安を専門医が解説

胃痛が続く・治らない原因とは?考えられる病気と受診の目安を専門医が解説

「胃の痛みがなかなか治まらない」「市販薬を飲んでも、しばらくするとまた痛くなる」——そんな状態が続いていると、不安になりますよね。一時的な胃痛であれば様子を見てもよいことがほとんどですが、痛みが何日も続いたり、繰り返したりする場合には、背景に治療が必要な病気が隠れていることもあります。

このコラムでは、胃痛が続くときにまず知っておきたいことから、考えられる原因や病気、すぐに受診したほうがよいサイン、そして検査(胃カメラ)でわかることまで、消化器を専門とする立場からわかりやすく解説します。

胃痛が続くとき、まず知っておきたいこと

胃痛の「続く・繰り返す・波がある」の違い

ひとくちに「胃痛が続く」といっても、その現れ方は人によってさまざまです。まずはご自身の痛みが、どのパターンに近いかを整理してみましょう。

  • ずっと続く痛み:朝から晩まで、あるいは数日間にわたって痛みが引かないタイプ。炎症や潰瘍などが背景にあることがあります。
  • 繰り返す痛み:いったん治まっても、数日〜数週間おきに同じような痛みを繰り返すタイプ。慢性的な胃の不調や、生活習慣が関係していることがあります。
  • 波がある痛み:食事の前後や空腹時など、特定のタイミングで強くなったり弱くなったりするタイプ。胃酸の分泌や胃の動きと関連していることがあります。

「いつ」「どのくらいの期間」「どんなときに」痛むのかを意識しておくと、受診したときに医師が原因を絞り込みやすくなります。痛みのパターンは、それ自体が大切な手がかりになるのです。

市販薬でよくならない場合に考えること

胃痛が起きたとき、まずは市販の胃薬で対処するという方は多いでしょう。実際、一時的な食べすぎや飲みすぎによる胃痛であれば、市販薬で症状が和らぐことは少なくありません。

しかし、注意したいのは「市販薬を飲んでいるあいだは楽になるが、やめると繰り返す」「飲んでもほとんど効かない」というケースです。市販薬はあくまで症状をやわらげるためのもので、痛みの根本的な原因を治すものではありません。

目安として、市販薬を1〜2週間ほど使っても改善しない、あるいは繰り返し必要になるような場合には、一度医療機関で原因を確かめることをおすすめします。市販薬で痛みを抑え続けているうちに、背景にある病気の発見が遅れてしまうこともあるからです。

胃痛が続く主な原因

胃痛が続く原因は、大きく「生活習慣やストレスによるもの」と「病気が原因のもの」に分けられます。

生活習慣・ストレスによるもの

日々の生活の中に、胃に負担をかける要因が潜んでいることは少なくありません。とくに次のような習慣は、胃痛が続く原因になりやすいものです。

  • 食生活:暴飲暴食、脂っこいものや刺激物のとりすぎ、早食い、不規則な食事時間などは、胃酸の分泌を乱し、胃の粘膜に負担をかけます。
  • 飲酒:アルコールは胃の粘膜を直接刺激し、炎症を起こす原因になります。習慣的な飲酒は胃への負担を積み重ねます。
  • 喫煙:たばこは胃の血流を悪くし、粘膜の防御機能を低下させます。潰瘍の治りを遅らせることも知られています。
  • 睡眠不足・ストレス:自律神経のバランスが乱れると、胃の動きや胃酸の分泌がコントロールされにくくなります。ストレスが胃の症状に直結することは、多くの方が実感されているのではないでしょうか。

こうした生活習慣が原因の場合、要因を見直すことで症状が和らぐこともあります。ただし、生活習慣を整えても痛みが続く場合は、次に挙げる病気が隠れている可能性を考える必要があります。

病気が原因のもの

胃痛が続く背景に、治療が必要な病気が隠れていることがあります。この場合、自己判断で市販薬を続けてもよくならないことが多く、適切な診断や治療が必要になります。どのような病気が考えられるのか、次の章で具体的に見ていきましょう。

胃痛が続くときに考えられる病気

痛みが長引く・繰り返す場合に考えられる代表的な病気を挙げます。いずれも珍しいものではなく、日常の診療でよく出会う病気です。

胃炎(急性・慢性/萎縮性胃炎)

胃の粘膜に炎症が起きた状態を胃炎といいます。暴飲暴食やストレス、薬剤などで一時的に起こる急性胃炎のほか、炎症が長く続く慢性胃炎があります。

とくに注意したいのが萎縮性胃炎です。これは、後述するピロリ菌の感染などによって胃の粘膜が長い年月をかけて薄く(萎縮)なっていく状態で、胃がんの発生に関わることが知られています。自覚症状が乏しいこともあり、検査ではじめて見つかるケースも少なくありません。

萎縮性胃炎について詳しくはこちら

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれたような状態になるのが潰瘍です。みぞおちの痛みが代表的な症状で、胃潰瘍は食後に、十二指腸潰瘍は空腹時や夜間に痛みやすいという特徴があります。

主な原因はピロリ菌感染と、痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)の使用です。放置すると出血や穿孔(穴があくこと)につながる場合もあるため、早めの診断と治療が大切です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍について詳しくはこちら

機能性ディスペプシア(検査で異常がないのに痛む)

「胃カメラを受けたけれど異常はないと言われた。でも、胃の痛みや不快感は続いている」——そんな方は、機能性ディスペプシアかもしれません。

これは、潰瘍やがんのような目に見える異常がないにもかかわらず、みぞおちの痛みや胃もたれ、少し食べただけでお腹がいっぱいになる感じ(早期飽満感)などの症状が慢性的に続く病気です。胃の動きの低下や、胃の知覚が過敏になること、ストレスなどが関係すると考えられています。

以前は「異常がないなら大丈夫」とされることが多かったですが、現在は症状に応じて治療の対象となる病気として認識されるようになってきており、生活指導や薬による治療で症状の改善が期待できます。「異常なし」と言われて悩んでいた方こそ、あらためて相談する価値があります。

機能性ディスペプシアについて詳しくはこちら

ピロリ菌感染

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に住みつく細菌で、慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、そして胃がんの大きな原因となることがわかっています。幼少期に感染することが多く、日本では中高年を中心に感染している方が多いとされています。

ピロリ菌に感染していても自覚症状がないことも多いのですが、胃痛が続く背景にピロリ菌が関わっているケースは少なくありません。検査で感染が確認された場合は、除菌治療によって菌を退治することで、症状の改善や将来の胃がんリスクを減らすことが期待できます。

ピロリ菌について詳しくはこちら

胃がん(見逃したくない病気)

胃痛が続くとき、もっとも見逃したくないのが胃がんです。早期の胃がんは自覚症状がほとんどないことが多く、痛みや不快感が出てきたときには進行している場合もあります。

だからこそ、「胃痛が続く」というサインを軽く見ず、きちんと検査で確かめることが重要です。胃がんは早期に発見できれば、体への負担が少ない内視鏡治療で治せる可能性が高い病気です。ピロリ菌感染や萎縮性胃炎がある方は、とくに定期的な検査をおすすめします。

胃がんについて詳しくはこちら

こんな胃痛は要注意|すぐ受診したいサイン

胃痛の多くは緊急性の高いものではありませんが、なかには早急な受診が必要な「危険なサイン」があります。次の項目に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

☐ 体重が減ってきた(食欲不振や、特に理由がないのに体重が落ちる)

☐ 便が黒い(タール状の黒い便は、胃や十二指腸からの出血のサインの可能性)

☐ 血を吐いた・吐いたものに血が混じる

☐ 激しい痛みが突然起きた、あるいは我慢できないほどの痛みが続く

☐ 痛みに加えて、発熱・冷や汗・顔面蒼白などを伴う

☐ 食べ物や水も飲み込みにくい、繰り返し嘔吐する

これらは、出血や潰瘍の悪化、進行した病気などのサインである可能性があります。一つでも当てはまる場合は、様子を見ずに早めに医療機関を受診してください。とくに黒い便や吐血は、緊急の対応が必要なことがあります。

胃痛が続くときの検査(胃カメラ)

胃痛の原因を正確に突き止めるために、有効な検査が胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)です。

胃カメラでわかること

胃カメラは、先端に小型カメラのついた細い管を口や鼻から入れ、食道・胃・十二指腸の内側を直接観察する検査です。ここまでに挙げてきた胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、そして胃がんなど、多くの病気を目で見て確認できます。

さらに、気になる部分の組織を少し採取して詳しく調べたり(生検)、ピロリ菌の感染の有無を確認したりすることもできます。「胃痛の原因が何なのか」をはっきりさせるうえで、胃カメラは非常に頼りになる検査です。

内視鏡検査について詳しくはこちら

当院の苦痛の少ない胃カメラの特徴

「胃カメラは苦しそう」「オエッとなるのがつらそう」という不安から、検査をためらう方は少なくありません。当院では、そうした負担をできるだけ軽くするための工夫を行っています。

ご希望に応じて鎮静剤を使用し、うとうととリラックスした状態で検査を受けていただくことが可能です。眠っているあいだに検査が終わるため、「思ったよりも楽だった」という声を多くいただいています。検査に不安のある方も、どうぞ安心してご相談ください。

胃痛を放置するリスク

胃痛が続いているのに「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、思わぬリスクにつながることがあります。

潰瘍が進行して出血や穿孔を起こしたり、ピロリ菌感染や萎縮性胃炎が長く続いて胃がんのリスクが高まったり——症状を我慢しているあいだに、病気が進んでしまうこともあるのです。

一方で、これらの多くは早期に発見できれば、体への負担が少ない方法で治療できるものです。とくに胃がんは、早期に見つかるかどうかがその後を大きく左右します。「たかが胃痛」と思わず、続く痛みは早めに原因を確かめることが、ご自身の体を守る何よりの近道です。早期発見・早期治療こそが、いちばんの安心につながります。

胃痛が続く方は当院にご相談ください

胃痛が何日も続く、繰り返す、市販薬でよくならない——そうしたお悩みは、我慢せずに一度ご相談ください。当院では、消化器を専門とする医師が、丁寧な問診と必要な検査を通して、痛みの原因をしっかりと見きわめます。苦痛の少ない胃カメラにも対応していますので、検査が不安な方も安心してお越しいただけます。

ご予約はWebから承っております。アクセスや初診の流れについては、以下のページをご覧ください。

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まとめ

胃痛が続くときのポイントを、あらためて整理します。

  • 胃痛には「続く・繰り返す・波がある」といったパターンがあり、それ自体が原因を知る手がかりになります。
  • 市販薬で1〜2週間ほど改善しない、繰り返し必要になる場合は、一度医療機関で原因を確かめましょう。
  • 続く胃痛の背景には、胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・機能性ディスペプシア・ピロリ菌感染・胃がんなどが隠れていることがあります。
  • 体重減少・黒い便・吐血・激しい痛みなどのサインがあるときは、様子を見ずにすぐ受診してください。
  • 原因を正確に調べるには胃カメラが有効で、多くの病気を早期に発見できます。

続く胃痛は、体からの大切なサインです。放置せず、気になるときはたかつき駅前 船越内科・消化器内視鏡クリニックまで早めにご相談ください。

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