胃腸

ピロリ菌検査はどこで・何歳から?費用と検査方法をまとめました

ピロリ菌の検査を受けようと思ったとき、最初に迷うのは「どこで受ければいいのか」です。健診のオプション、市の検査、消化器内科、市販の郵送キット。選択肢は並んでいるのに、費用も、その後の進み方も、選んだ場所によって変わります。

この記事では、検査を受けられる場所、対象になる年齢、4種類ある検査方法の違いと費用を整理します。保険で検査を受けるには、先に胃カメラで胃炎の診断を受けていることが条件になるという、最初につまずきやすい点についても説明します。

ピロリ菌とは|感染するとどうなるか

胃炎・胃潰瘍・胃がんとの関係

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜にすみつく細菌です。強い酸の中でも生き延びる仕組みを持ち、一度感染すると多くの場合は自然に消えず、胃の粘膜に炎症を起こし続けます。

この慢性的な炎症が長い年月をかけて粘膜を痩せさせ、萎縮性胃炎と呼ばれる状態をつくります。そして萎縮した粘膜は、胃がんが発生しやすい土壌になります。WHO(世界保健機関)は1994年、ピロリ菌を胃がんの確実な危険因子と位置づけました。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発にも、この菌が深く関わっています。

裏を返せば、除菌によって胃がんのリスクを下げられるということでもあります。検査を受ける意味は、まずここにあります。

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日本人の感染率と主な感染経路

日本人全体では、およそ40%がピロリ菌に感染していると報告されています。ただしこの数字は世代によって大きく異なり、高齢の方ほど感染率が高く、若い世代ほど低くなります。中学生を対象とした自治体の検査では、陽性率が1%台という報告もあります。

差が生まれる理由は、感染の時期と経路にあります。感染の大半は5歳ごろまでの幼少期に成立し、大人になってから新たに感染する例はまれです。主な経路は、井戸水など衛生状態の良くない水や、家庭内で親から子へ食べ物を口移しする際の唾液を介したものと考えられています。

つまり上下水道が整う前に幼少期を過ごした世代ほど感染率が高く、衛生環境が改善した後に生まれた世代では大きく下がっている、という構図です。ご自身の感染の有無は、同居していたご家族の検査結果がひとつの手がかりになります。

ピロリ菌検査はどこで受けられる?

健康診断・人間ドックのオプション検査

職場の健康診断や人間ドックでは、オプション項目としてピロリ菌の抗体検査を選べることがあります。採血のついでに調べられる手軽さが利点です。

ただし健診で行われるのは血液の抗体検査であり、この検査だけでは「現在も感染しているか」までは判断がつきません。抗体は除菌後や自然に菌が消えた後もしばらく残るためです。健診で陽性と出た場合は、あらためて医療機関で確認することになります。

消化器内科・内視鏡クリニックでの検査

胃の症状がある方、健診で指摘を受けた方、除菌まで見据えている方は、消化器内科での受診が確実です。胃カメラによる診断、ピロリ菌検査、陽性だった場合の除菌治療、そして除菌後の判定までを同じ医療機関で続けて進められます。

この検査は、それ単体で完結するものではありません。陽性なら除菌へ、除菌後は判定へと続くため、最初から一連の流れを任せられる医療機関を選ぶほうが、結果的に手間も期間も少なくて済みます。

市販キット・郵送検査の注意点

薬局やインターネットでは、便や尿を送って調べる検査キットも販売されています。受診の手間なく目安を知る手段としては選択肢になります。

ただし、これらの結果は確定診断にはなりません。陽性と出ても、その結果をもって除菌治療に進む道はなく、結局は医療機関で検査をやり直すことになります。除菌まで考えているのであれば、はじめから医療機関で受けたほうが時間も費用も抑えられます。

保険で受けるには胃カメラが必要

ここが最も誤解されやすい点です。検査と除菌治療を健康保険で受けるには、胃カメラ(胃内視鏡検査)で慢性胃炎などの診断を受けていることが条件になります。

これは平成25年に保険適用の範囲が広がったときに定められた要件で、「胃の調子が悪いのでピロリ菌だけ調べたい」という理由では保険が使えません。逆にいえば、胃カメラを受けておけば、ピロリ菌の検査から除菌までを保険診療で進められます。

胃カメラには、萎縮の程度を確かめ、すでにできている病変がないかを同時に確認できるという利点もあります。ピロリ菌に感染していた胃は胃がんのリスクを抱えているため、菌の有無だけでなく胃の状態そのものを見ておく意味は小さくありません。

ピロリ菌検査の種類と特徴

検査方法は、胃カメラを使わないものと、胃カメラのときに行うものに分かれます。それぞれ調べているものが違うため、目的に応じて使い分けます。

尿素呼気試験

検査薬を飲み、その前後で吐いた息を採取して比較する検査です。ピロリ菌は尿素を分解する酵素を持つため、感染していれば息に含まれる二酸化炭素の成分が変化します。

精度が高く、体への負担もほとんどありません。現在感染しているかどうかを確かめる方法として、また除菌が成功したかどうかの判定として、広く使われています。所要時間は20〜30分程度です。

血液(抗体)検査

採血で、ピロリ菌に対する抗体ができているかを調べます。健診のオプションや自治体の検査で採用されているのは、この方法です。

手軽で費用も抑えられますが、前述のとおり、過去の感染でも陽性となることがあります。除菌治療の後の判定には使えません。

便中抗原検査

便を採取し、ピロリ菌そのものの成分が含まれているかを調べます。精度は尿素呼気試験に近く、採血や息を吹き込むことが難しい方、小さなお子さんでも受けられるのが利点です。

胃カメラで行う検査(迅速ウレアーゼ法など)

胃カメラのときに胃の粘膜を少量採取し、その場で調べる方法です。ウレアーゼという酵素の反応を見る迅速ウレアーゼ法のほか、顕微鏡で観察する鏡検法、菌を育てて確認する培養法があります。

胃カメラを受けるのであれば、追加の来院なくその場で判定まで進められます。

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ピロリ菌検査は何歳から受けるべき?

中高生を対象とした自治体検査

近年、中学生や高校生を対象にピロリ菌検査と除菌を公費で行う自治体が増えています。学校の定期健康診断の仕組みを利用し、尿や便で検査を行うものです。

若い世代の感染率は低く、陽性となるのは1%前後にとどまります。それでも実施されているのは、感染している少数を早い段階で見つけ、胃の粘膜が傷む前に除菌することの意味が大きいためです。

20〜30代で受けておくメリット

除菌による胃がん予防の効果は、若いうちに行うほど高くなります。粘膜が傷む度合いは感染している期間の長さに比例します。萎縮が進む前に菌を取り除ければ、その後のリスクはより低く抑えられます。

高槻市では、満20歳以上49歳以下の市民を対象に、500円で成人ピロリ菌検査(血液の抗体検査)を実施しています。過去にピロリ菌の検査や除菌治療を受けたことがない方が対象で、市内の実施医療機関、または特定健診の会場で受けられます。ご自身が対象年齢に入っているなら、まずこの検査で感染の有無を確かめておく方法があります。

家族に胃がん・ピロリ菌感染者がいる場合

ピロリ菌は幼少期に家庭内で感染するため、親やきょうだいが感染していれば、ご自身も感染している可能性が高くなります。とくに親御さんが胃がんになった方、胃潰瘍を繰り返した方は、年齢にかかわらず一度調べておくことをおすすめします。

胃がんの家族歴があり、かつピロリ菌に感染している場合、リスクはさらに高まることが知られています。「家族が胃がんだった」という事実は、検査を受ける十分な理由になります。

ピロリ菌検査の費用|保険適用と自費の違い

保険適用となる条件

保険でピロリ菌検査を受けられるのは、胃カメラで慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断された場合です。この条件を満たせば、検査から除菌治療、除菌後の判定までが保険診療の対象になります。

3割負担の場合、胃カメラがおよそ5,000〜6,000円、ピロリ菌検査が1,000〜2,000円程度、除菌の薬が1週間分でおよそ2,000〜3,000円が目安です。

自費で受ける場合の目安

胃カメラを受けずにピロリ菌だけを調べたい場合は自費診療となり、検査方法によって数千円程度が目安となります。健診のオプションや市の検査を利用する方法もあります。

ただし自費の検査で陽性となっても、そのまま保険診療で除菌へ移る道はありません。結局は胃カメラを受けることになるため、除菌まで視野に入れているなら、最初から胃カメラとセットで考えるほうが無駄がありません。

陽性だった場合|除菌治療の流れ

一次除菌・二次除菌と成功率

除菌治療は、胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を、1日2回・7日間飲むだけです。入院も通院の継続も必要ありません。

飲み終えてから4週間以上あけて、尿素呼気試験か便中抗原検査で成功したかどうかを判定します。1回目(一次除菌)で成功しなかった場合は、抗菌薬の種類を変えて2回目(二次除菌)を行います。近年使われている酸分泌抑制薬では一次除菌の成功率がおよそ9割、二次除菌まで含めると9割台半ばに達します。

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除菌後も定期的な胃カメラが必要な理由

除菌が成功しても、胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。感染していた期間に進んだ粘膜の萎縮は、菌がいなくなった後も残るためです。

除菌によってリスクは下がりますが、除菌後に胃がんが見つかる方はいます。むしろ除菌後の胃がんは見た目の変化が乏しく、発見が難しくなることも知られています。除菌を終えた後も、年に1回を目安とした胃カメラでの経過観察をおすすめしています。

→ 胃がんについて詳しくはこちら

当院のピロリ菌検査・胃カメラ

苦痛の少ない胃カメラ(鎮静剤対応)

胃カメラをためらう理由として最も多いのが、「つらそう」という不安です。当院ではご希望に応じて鎮静剤を使用し、うとうとと眠っているあいだに検査を終えられる体制を整えています。

これまで胃カメラを避けてきた方にも、選んでいただきやすい方法です。

検査当日から結果説明までの流れ

前日の夜から絶食していただき、当日は検査、その後の回復室でのお休みを含めて2時間ほどをみていただきます。検査自体は5〜10分程度です。

胃の中の様子はその場で画像をお見せしながら説明し、ピロリ菌の検査結果や組織の検査結果は、後日あらためてご説明します。除菌が必要な場合は、そのまま治療のご案内に進みます。

高槻でピロリ菌検査をお考えの方は当院にご相談ください

たかつき駅前船越内科・消化器内視鏡クリニックは、JR高槻駅から徒歩圏内にあります。お仕事帰りやお買い物のついでにも立ち寄っていただける場所です。

「健診でピロリ菌を指摘された」「家族が胃がんになった」「胃の不快感が続いている」——きっかけは何であれ、一度検査を受けておけば、その後の付き合い方が決まります。検査のご予約は24時間受付のweb予約から承ります。

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まとめ

ピロリ菌の検査は、健診のオプション、自治体の検査、市販キット、医療機関とさまざまな場所で受けられます。ただし保険で検査から除菌まで進めるには、胃カメラで胃炎の診断を受けていることが前提です。

感染の大半は幼少期に成立し、大人になってからの新たな感染はまれです。だからこそ、一度きちんと調べておけば、その結果は長く役に立ちます。高槻市では20代から500円で受けられる制度もあります。

胃がんは、原因がはっきりしている数少ないがんのひとつです。除菌によってリスクを下げられる以上、まず自分が感染しているかどうかを知ることから始めていただければと思います。

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